京大物工の戦い方(1回生編)

京都大学工学部物理工学科機械システム学コース新2回生(2023年4月入学)です。電電でこんな記事見つけて面白そうだったので物工でも書いてみます。

実際どう?

全学共通科目の手数が多いうえ、コース配属(後述)の都合上それら全体である程度好成績を取らなければならないことを考えると、やや忙しめといったところでしょうか。3回生よりはマシみたいなのが怖いですね。

コース配属

概説

たぶんほぼすべての物工1回生の最大の関心事です。

この学科には、

  • 機械システム学コース(機シス)
  • 宇宙基礎工学コース(宇宙)
  • 原子核工学コース(原子核)
  • エネルギー応用工学コース(エネ応)
  • 材料科学コース(材料)

という5つのコースがあり、希望と1回生での成績に応じて2回生の初めに配属されます(1回生終了時の総取得単位数が40未満だと完全ランダムですが)。

成績に関しては、具体的には配属点という点数が用いられ、これが高い順に希望が通ります。

  • 配属点は、(単位を取得した授業の単位数×その授業の素点)の総和を総取得単位数で割ったもの
  • 物理学実験(物実)および基礎化学実験(化実)は、素点を2倍にして計算する

これらからわかる配属点についての特記事項は次のようなものが挙げられます。

  • 授業の素点は100点がMAXだが、2番目の規定により実験は200点満点になるので、配属点は100点を超える可能性がある
  • 変にギリギリで単位を取るよりは、いっそ落とした方が配属点が高くなる(GPAとは異なり単位を取得した授業のみ計算するため)

コースと配属点

希望のコースに配属されるためには配属点を高くするとよいわけですが、そもそもどれだけ取ればよいのでしょうか?大学からボーダーなどが公開されるわけではないので伝聞等によるものになってしまいますが、次のようなことは言えそうです。

機シス:完全オンライン時代の2020年は83点ほどがボーダーだったらしいので、対面ならこれよりは低いはず。2023年は75点で通った人がいる。

宇宙:定員が埋まるか否かで大幅に揺れるが、2023年は機シスより低かった?成績優秀者が集まるとされることで人気がなかった説もあり、逆張りでの希望も有力?

エネ応:2023年は材料よりボーダーが高かったとか(学科LINEでの第一希望アンケートでも割と票が集まってた)

材料・原子核:たぶんフリー

配属点と実験

これを踏まえてどのように高い配属点を取るかですが、普通は

  • 授業に真面目に取り組む
  • 点数の取りづらい授業を避ける
  • 実験を取る

というふうにします。前2つは正しいでしょうが、最後に関しては本当に必要か悩ましく感じます。正直な話、少なくとも宇宙以外なら実験は取らなくてもどうにかなると思います

学科ガイダンスで取るよう勧められます(「実験を取ってほしいから点数を2倍にしている」と言われました)し、周囲でどちらも取っていない人はただの1人も見たことがありませんが、実は自分はどちらも取っていません。それでも最初に書いたように機シスに内定しています(配属点は85点程度です)。このことから、コース配属のみについて考えれば必ずしも取る必要はないのではないでしょうか。

それでも取る意味があるとすれば、

  • 精神の安寧
  • 交友関係
  • 専門科目の実験・実習に向けた練習

といったところでしょうか。

1番目については実験で80以上取れていれば機シス志望でも安心できると思います。正直試験~成績発表の期間はメンタル的に少ししんどかったので、意味はありそうです。

2番目はたまに挙げられるメリットですが、実際どうなんでしょう。自分は学科に友達がいないのですが、もし取ってたら何かが変わった可能性は無きにしも非ずです。

3番目は現時点では本当にわかりません。これから専門科目を受けて意見が生まれたら追記するかも。

授業

時間割は以下のような感じです。模範的物工生のそれかはだいぶ怪しいです。

前期

 
1 情報基礎演習[工学部]   地域地理学 物理学基礎論A 英語リーディング
2         線形代数学(講義・演義)A/微分積分学(講義・演義)A
3 英語ライティング・リスニングA 線形代数学(講義・演義)A 微分積分学(講義・演義)A   論理学Ⅰ
4   自然現象と数学 基礎物理化学(熱力学)   ロシア語ⅠA(演習)
5 経済学Ⅰ ロシア語ⅠA(文法) 物理工学総論A   自然地理学

前期集中

ILASセミナー(洛南の歴史景観と河川環境巡検)

後期

 
1       物理学基礎論B 英語リーディング
2   国際法入門     線形代数学(講義・演義)B/微分積分学(講義・演義)B
3 英語ライティング・リスニングB 線形代数学(講義・演義)B 微分積分学(講義・演義)B ロシア語ⅠB(文法) 論理学Ⅱ
4 情報基礎[工学部] 力学続論 基礎物理化学(量子論)   ロシア語ⅠB(演習)
5     ILAS Seminer E2 (Physics of Life) 物理工学総論B  

補足

  • 火3・水3はそれぞれの講義、金2はそれぞれの演義(演習)を週替わりで行う

  • 力学続論は物工では本来2回生配当

物工生の多くが取るような授業となると座学と前述の実験しかなく、自分は実験を取らなかったので書くことがないのですが、印象的な授業については書いておきます。

線形代数学(講義・演義)A/B

ベクトルとかから発展する線形代数という分野をやります。この授業もそうですが、基本的に前期にAを、後期にBをやります。

なぜこれを取り上げたかと言うと、講義が高尾先生というRIMS(数理解析研究所、京大のすごいとこ)の研究員に当たる場合があり(例年だと9・12組)(自分がそうでした)、その場合授業・授業資料・期末試験がかなり難しくなるからです。しかしながらコース配属を考えるとどうせ周囲もできないので逆に稼ぎどころという説はあり、自分は前期後期どちらも期末が3割を割っていたはずなのにA(前期87後期94)を取れました。これが謎の力です。実際線形代数微分積分学は各3単位ゆえコース配属における重要性が高いことを考えると、この教員に当たった場合はラッキーだと思ってもいいかもしれません。少なくとも演義には真面目に取り組み、少しでも多く点数を盛っておきましょう。

物理工学総論A/B

唯一の1回生配当の専門科目です。各コースからつながる研究室でやっている内容を紹介することでコースの希望を決める一助にしてもらおうという授業です。こいつだけは前期にAとBのどちらが開講されるか年度によって異なります。意味が分かりません。

コース配属的視点から考えると、成績がだいたいレポートで決まることから不透明で勘定に入れづらいです。おとなしく全学共通科目で稼ぎましょう。

なお、2回生以上でこの授業の単位を取得しても卒業単位にカウントされないという罠があります。他の専門科目はしんどいものが多いですし、絶対に落とさないようにしましょう。出席して(必須です)課題を出せばB以上は出ます。

おわりに

クソ記事書くのって楽しいですね。後世の資料代わりにでもなるといいなと思います。

 

【学ロボAC2023】サークル内での基板管理をしようとする話

 この記事は、学ロボ Advent Calendar 2023の24日目の記事です。機械研の同期が入ったことにより、1回生/1年生が私だけではなくなりました。嬉しいですね。

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前書き

 私が所属している京大機械研は、資材置き場兼加工場である工作室の治安がはっきり言って終わり申し上げています。狭い場所に無秩序にたくさん物があると大変ですね。

 これには私を含む制御班も苦労させられているところで、例えば必要な基板が見当たらないということが日常茶飯事です。これをどうにかしようとサークル内で基板管理プロジェクト(?)を立ち上げたので、この記事ではそれについて書きます。

やったこと

 まずスプレッドシートについてですが、基板の種類ごとにシートを分けています(使用する基板の種類は十分少ないので)。項目は

  • 基板の種類ごとの通し番号
  • CANが通じるか/電源を供給できるか
  • 使っているプロジェクト(ex:学ロボ・春ロボ)
  • ついているロボットorある場所
  • 動作確認日

という感じです。これらの項目を設けることで、その基板の所在や使用可否が確認できるようになっています。

 また、Slackのチャンネルには質問や緊急の情報を書き込んでもらうことを想定しています。

これからやること

  • 継続的に利用してもらえるようにする(抽象的……)
  • 燃えた基板の扱いを考える
  • 基板以外にも拡張する

 この手のものは継続利用してもらうのが最大の壁でしょうね。対策として煩雑な作業を削減しました。具体的には、各基板を最初にチェックするとき以外現実での作業を無くし、スプレッドシートへの書き込みも所在地の更新以外頻繁にする必要がないようにしました。他にできることとしては定期的な呼びかけとかでしょうか。Slackのリマインダー機能なんかは活用できそう。前述の基板管理チャンネルで毎日@channnelすることになるかも……。

 燃えた基板はどうしましょうね……。通し番号の管理や燃えた数の把握の観点から削除はよろしくないでしょうし、シート上で非表示にするあたりが妥当でしょうか。

 基板だけでなく他の資材も管理できると嬉しいですね。ハード班が使っている材料は加工が頻繁に発生する以上厳しいですが、マイコンやアクチュエータ、便利グッズは需要がありそうなところかもしれません。

終わりに

 正直ちゃんと運用できるかわかりませんが、来年度の工作室整備係に決まったことですし管理に邁進していこうと思います。他のサークルがどのように資材を管理しているか、コメントなどで教えていただけると大変喜びます。

 お読みいただきありがとうございました。

【学ロボAC2023】【新人制御班向け】VMware+Ubuntuのお気持ち表明

 この記事は、学ロボ Advent Calendar 2023の16日目の記事です。私しか1回生/1年生がいませんね。恐ろしや恐ろしや……。

adventar.org

 京大機械研で新人制御班をやっているladaです。VMwareUbuntuを入れて少し使ってみたので、今回はその使用感について書きます。短文です。

環境

ホストOS:Windows 11 Home edition

CPU:AMD Ryzen 7 5825U with Radeon Graphics 2.00 GHz

RAM:16GB

ゲストOS:Ubuntu 22.04

仮想化ソフトウェア:VMware Workstation 17 Player 

VMwareに至るまで

 機械研の先輩方はLinuxの導入時にみなデュアルブートを選択しており、サークル内に仮想環境のノウハウがない状態でした。しかしWindowsごと吹っ飛ぶ可能性があるデュアルブート心理的に抵抗があるということで、現1回生はとりあえず仮想環境を使ってみようということになりました。旗振り役の1回生は結局デュアルブートしましたけど。

 じゃあ仮想化の手段はどうするかということですが、Dockerは外部との通信がしづらい、WSLもなんかまずいという話があったのでVMwareを選択しました。

使ってみる

 いくつかソフトウェアを使ってみましたが、MATLABやCubeIDEは死ぬほど重くて使い物にならない(推奨最大までメモリを渡したのですが……。)一方で、VSCodeは普通に使えました(競プロのコンテストも問題なくこなせました)。特筆すべき点は以下でしょうか。

  • Ignition Gazeboが動かない(らしい)

 Ignition Gazeboは新しいロボットシミュレータです。制御班にとってこれが動かないのはかなりの痛手ではないでしょうか。前述の旗振り役はこれが決め手でデュアルブートしたそうです。ちなみに古いGazeboはおまじないをする(bashrcにexport SVGA_VGPU10=0)と動きます。

 PythonOpenCV(画像処理用のライブラリ)を叩いたら、カメラの映像を呼び出すコード(Windowsでは問題なく動く)を実行しても一生映像が出てこなくて真顔になりました。本来ホストOSから切断したらゲストOSで使えるはずなのですが……。これも画像認識を使おうとする場合大きな痛手になりますね。

結論

 デュアルブートすべきみたいですね(自明)。まあPCのスペックをフルに使えないというのはなかなか苦しいものがあります。今のところはROSなどを触っていないのでWindowsで事足りているのですが、私ももうそろそろデュアルブートしようかなと思います。お読みいただきありがとうございました。